特許戦略編

5.特許権を企業経営上のツールとして積極的に考えていきたいと思います。このようなとき、経営上の位置付けとしてどのような考え方をすればよいのでしょうか?

 特許権は一種の所有権で、本質は他人の無断使用を排除できることにあります。また、他人に実施許諾を与えてライセンス収入を得ることもできます。
 このような特許権の機能を企業経営に生かすには、下記のような4つの戦略が大事となります。

A.市場獲得戦略
 特許を武器に他社の市場参入やサービス提供を阻止する戦略
(1)基本特許の確保と周辺特許の展開    

基本特許に加え、周辺特許を多数取得すると、他社がこれらの特許に触れずに設計することが不可能になります。

(2)継続的な改良特許の取得    

改良技術について継続的に権利取得していくと、技術格差を将来にわたって保つことができます。

(3)牽制用特許の取得    

製品化した最善の技術に対する次善の技術や異なるコンセプトの技術について特許化しておれば、対抗製品の出現を抑制できます。

B.収益戦略
 特許を積極的に有償公開し、ライセンス収入の獲得を目指す戦略です。
C.経営支援戦略
 特許の保有をうたい文句にして技術力の高さを認知させ、新規取引の拡大や資金調達、企業信用の向上、ブランド・イメージの向上に使う戦略です。
(1)取引関係の獲得・改善    

開発成果が特許化されていれば、競合企業との差別化が可能なので、大企業との協力関係も独自性を有するものにできます。

(2)自社技術の業界標準化    

自社技術の特許を求める企業に有償あるいは無償で実施許諾を与えることにより、自社製品の仕様を事実上の業界標準(デファクトスタンダード)にできます。

D.防衛戦略

自らが特許出願することで、他社の特許取得を妨げる戦略です。

企業にとって一番恐いのは、他社の特許で現在のビジネスをストップさせられることですが、最悪でもこのような事態は避けられます。